スイスフランはユーロの影響を強く受けます。今年の春頃におきたギリシャショックにより、
ユーロは極端に売られユーロ安が進みました。
これに連動する格好でスイスフランも通貨安に向かったわけですが、初夏からドル安が
急速に進んだことによって、ここにきてユーロ高が続いています。
通貨安が進むと輸出企業は恩恵を受けることになりますが、実際にユーロ安の恩恵を
受けることができたのはドイツだけといっても過言ではありません。
他のユーロ諸国はドイツと比較すれば一目瞭然なのですが、主だった産業がありません。
こうした中でユーロ諸国は緊縮財政を強要されているため経済が急速に悪化しています。
こうした影響から本来であればスイスフラン安の恩恵を受けられるはずのスイスも周辺の
ユーロ諸国経済が疲弊しているため期待しているほど輸出は伸びていません。
輸出を伸ばすことができれば安定した経済成長を維持することができるわけですが、
今後は通貨安=輸出が伸びるという構造に変化が見られることになりそうです。
米国が量的緩和を来年の6月まで継続して実施することが決定しましたので、来年以降、
外国為替市場は文字通り戦場と化しそうです。
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